Yearly Report 2023 2023年次レポート
2023年、GASBON METABOLISMでの農業実験開始年、新たに分離式のサンドポニックスコンテナを用意、魚も無事に越冬できたようで、春先から餌の量を増やし、集まった排泄物をサンドポニックスコンテナに投入し、トマトやホップ、大豆といった実のなる野菜の栽培を開始しました。 糞は多くのリンを含んでおり、レタスのような葉物よりも、実をつける野菜のほうがリンを多く必要とするため、サンドポニックスコンテナでの栽培が適していると考えられます。 環式のアクアポニックスでは育てづらいものも、分離式サンドポニックスだと、比較的簡単に色々な野菜を育てられることがわかりました。
5-6月、ホップにはハダニ、さつまいもにコバエが発生したため、一部廃棄しましたが、水耕で栽培されていたケールやバジルなどは水洗いすることで虫を撃退し、農薬は一度も使わずに収穫できました。8月後半から、日中の温度が40度超え、トマトが受粉しづらくなったため、トマトは早めに終了。
1年を通して野菜が収穫できる農場として、レタス、小松菜、ケール、トマト、バジル、水菜、ホップ、にんじん、枝豆などの野菜を栽培しました。 2023年の収穫量は以下の通りです。
農場
インドアサイト 広さ : 約15m2
左上 : 分離式アクアポニックスコンテナ
トロ船を利用した、ebb&flow方式の分離式アク アポニックスシステム。
左下 : サンドポニックスコンテナ
トロ船を利用した、分離式サンドポニックスシステム。
上 : Ebb&Flow 水耕栽培コンテナ x 2
ホップを水耕栽培で育てるために考案したebb&flow方式のコンテナ
中 : 6穴 DWCコンテナ x 8
アクアポニックスの野菜と比較するために水耕栽培DWCコンテナを4個繋げ、2列用意。コンテナはホームセンターなどで売っている45Lツールボックスなどを利用。
右上 : NTFレタスベッド
水耕栽培用のNTFレタスベッドを試験的に循環式アクアポニックスで利用。
下 : 大型DWCコンテナ x 2
トマトなど3-6ヶ月以上栽培すると根が大きくなる植物用に豊富な肥料を与えるための100Lのコンテナを利用。
収穫
1-3月 | 4-6月 | 7-9月 | 10-12月 | 合計 | |
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レタス | 0 苗 | 8 苗 | 25 苗 | 21 苗 | 54 苗 |
小松菜 | 21 苗 | 15 苗 | 7 苗 | 7 苗 | 50 苗 |
カーリーケール | 5 苗 | 24 苗 | 21 苗 | 25 苗 | 75 苗 |
ミニトマト シュガーランプ | 0 個 | 37 個 | 268 個 | 0 個 | 305 個 |
バジル | 0 苗 | 0 苗 | 5 苗 | 18 苗 | 23 苗 |
水菜 | 0 苗 | 3 苗 | 0 苗 | 0 苗 | 3 苗 |
ホップ | 0 g | 0 g | 2500 g | 0 g | 2500 g |
にんじん | 0 苗 | 0 苗 | 3 苗 | 0 苗 | 3 苗 |
枝豆 | 0 g | 0 g | 100 g | 100 g | 200 g |
課題
- 8月以降、酷暑のため、トマトはなかなか受粉せず、また週1のメンテだと、人口受粉が充分にできなかったこともあり、トマトの収穫量が伸び悩みました。 外で栽培し、受粉はミツバチや虫にやってもらうほうが自然。
- 7-8月、室内の気温が40度を超えることが多々あり、レタスは背が高くなったり、葉がしなしなに、ケールも色が薄くなったり葉が全体的にやわらかくなってしまう現象を確認。 40度の高音でも比較的元気よく育つバジルを中心に栽培することで、熱にも耐えられます。
- さつまいもをサンドで試したところ、成長は非常に良いものの、コバエが大量発生し、他の野菜にまで広がっていくため、残念ながら途中で撤収。
- ホップは建物に元々住んでいた蜘蛛たちが巣を作り、ハダニも発生したため、こちらも2024年は外で栽培して、インドアとの違いを確認しようと思います。